京都大学医学部附属病院 薬剤部

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薬剤師レジデント研修制度

薬剤師レジデント研修制度の概要

薬学教育6年制や薬剤師業務の変化に伴い、卒後薬剤師教育の在り方も変化しています。京大病院薬剤部では、効果的な新人教育を実施するために、薬剤師レジデント研修制度を採用しています。調剤業務を中心とする薬剤師の基本スキルの習得を目標とした一般研修と、病棟業務初期の専門スキルの習得を目標とした専門研修で構成されています。これらの研修を通して、薬剤師が身に付けるべきプロフェッショナリズム、基本的臨床能力と専門性、並びに科学的思考力・実践力の習得を目指します。

京大病院薬剤部レジデント研修の特徴

  • 1年目は調剤や抗がん薬調製など薬剤師としての基本的スキルを修得
  • 2年目は病棟薬剤業務を総合的に修得
  • Progress & Goalシート(PGシート)を用いて業務修得状況を把握し、各自の成長に合わせた適切なアドバイスを実施
  • 研究グループに所属し、臨床研究にもチャレンジ
  • レジデントも特定有期雇用薬剤師として雇用し、職員と同じ給与を支給

 研修プログラム

レジデント研修の概要
Progress & Goalシート(PGシート)

レジデントの1日

2年目レジデントのとある1日のスケジュール

レジデントの出身大学とレジデント研修終了後の進路

出身大学(一例)

レジデント研修修了後の就職先

金沢大学附属病院、静岡県立総合病院、大垣市民病院、京都大学医学部附属病院、京都第二赤十字病院、京都府立医科大学病院北部医療センター、大阪赤十字病院、北野病院、済生会中津病院、神戸大学医学部附属病院、JCHO 神戸中央病院、和歌山県立医科大学附属病院 他

レジデント研修修了者・先輩からのメッセージ

レジデントプログラムで経験できたこと

レジデントプログラムでは、2年間かけて様々な部署で業務を行いました。調剤室や病棟以外に、TDMでは薬物動態を考慮した処方設計、DI業務では資料を参考にした配合変化の考え方、手術部では周術期の薬品管理など幅広い経験を積むことができました。さらに短い期間でしたが研究も行い、その成果を学会で発表することもできました。ここまで多くの経験は京大病院だからこそ得られるのだと思います。

現在は金沢大学附属病院に勤務していますが、京大病院での経験を生かして、より安全でより有効な薬物療法を提供できるよう日々努めています。

金沢大学附属病院 薬剤師 鈴木 拓也
(金沢大学卒業・2019年京大病院薬剤部入職・2021年〜現職)

臨床現場と研究の融合が新たなキャリアの選択肢に

2年間のレジデントにおいて、呼吸器外科病棟での薬物療法への介入、そして症例報告としてまとめたことが最も印象的でした。患者を第一にチームで議論し、薬剤師として積極的に介入すること、分からないことは自分たちで調査し検証することの積み重ねが、薬剤師の高い専門性や臨床研究能力に繋がっていると感じます。

自律的に深めていきたい分野や領域を決めていける環境だからこそ、私にとってレジデント期間中の経験がキャリアを考える上での礎となっていることは間違いありません。

京都大学医学部附属病院 薬剤師 長縄 華子
(慶應義塾大学卒業・2021年入職)

レジデント2年目として奮闘中です

2年目から病棟研修が始まり、患者さんや医療スタッフと沢山コミュニケーションをとるようになりました。薬学的な判断を求められる場面が多く、その度に知識や経験不足を痛感しますが、先輩方に助けて頂きながら日々乗り越えています。同期や先輩から、それぞれの病棟での経験談を聴くのも好きですし、とても勉強になります。

また、患者さんの背景などが以前より考えられるようになったことで、調剤や監査などの調剤室での業務もさらに面白くなったと感じます。レジデント期間中に薬剤師として少しでも成長できるよう、日々努めています。

京都大学医学部附属病院 薬剤師レジデント 井川 実穂
(京都大学卒業・2023年入職)

 

よくある質問

Q1:京都大学医学部附属病院薬剤部のレジデント研修制度の特徴は何ですか?

業務面:
レジデント1年目はセントラル業務が中心となりますが、早期から病棟研修や医薬品情報室での研修、薬効・薬物動態解析支援室での研修も取り入れています。レジデント2年目は内科病棟、外科病棟、がん病棟など多彩な病棟を経験し、病棟薬剤業務を総合的に学びます。研修病棟は、レジデントへの希望調査を実施し、それに基づいて配置を決めています。

教育面:
Progress & Goalシート(PGシート)を用いてレジデント各自の修得状況を把握し、各自の成長に合わせた適切なアドバイスを実施します。また、レジデント向け勉強会も多数実施し、手厚いサポートを行います。

研究面:
レジデント1年目秋から研究グループに所属し、教員や先輩薬剤師のサポート受けながら研究を開始します。2年目での学会発表を目指します。研究環境や論文へのアクセスなども充実しています。

待遇面:
新人採用(中途採用を除く)は全てレジデントとし、職員と同じ給与を支給しています。2年間のレジデント研修終了後、薬剤師として採用の道があります。

Q2:研究はいつから始めるのですか?

レジデント1年目の10月よりいずれかの研究グループに属し、教員や先輩薬剤師のサポートを受けながら研究を開始するのが一般的なスケジュールです。各研究グループの研究内容は、薬剤部内で行っている臨床研究セミナーで知ることができます。研究テーマは、自身が持つクリニカルクエスチョンがあれば、それをベースに考えますが、教員や指導薬剤師から提案することもあります。2年目での学会発表を目指します。

Q3:日直や宿直などの当番はいつから入るのですか?

レジデント1年目の秋頃から残留当番(17:15~20:15)に月に1回程度入ります。日直(土日などの休日に出勤、月に1回程度、代休あり)には、レジデント2年目から入ります。宿直(1名)には、3年目以降の薬剤師が入りますので、レジデントの期間は入りません。

Q4:学会参加や認定・専門薬剤師を取るための講習会への参加などへのサポートはありますか?

学会で発表をする場合、参加費や旅費のサポートがあります。学会参加や講習会への参加費については、部内規程に基づき、サポートします。

Q5:大学院修了予定ですが薬剤師レジデントに応募可能ですか?

応募可能です。大学院を修了して入職したレジデントもいます。

Q6:薬剤師レジデントの給与・待遇等について教えてください。

京都大学の特定有期雇用職員の規程に基づきます。(6年生大学卒業で約23.1万円)

Q7:休暇について教えてください。

週休2日制で、年次有給休暇、特別休暇(産休・育休など)、病気休暇などもあります。京都大学の規程に準じています。

Q8:現役レジデントの方に質問する機会はありますか?

薬剤部見学会を例年8月と11月に実施しており、その際にレジデントに直接質問できる機会を設けています。また、2月~3月に実施しているレジデント採用説明会においても同様の機会を設けています。

Q9:レジデント研修修了後の進路について教えて下さい。

3年目以降も京大病院での勤務を希望される場合には、レジデント2年目の4月に3年目採用試験を行います。薬剤部の人員充足状況に応じて採用となります。地元に戻るなど、他の病院を希望される場合は、可能な限りサポート致します。レジデント研修修了生の進路については、上記「レジデントの出身大学とレジデント研修修了後の進路」を参照下さい。

募集に関する問合せ先

〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院薬剤部 薬務室
TEL:(075)751-3581、FAX:(075)751-3205
E-mail:yakumu*kuhp.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)