教授・薬剤部長就任のあいさつ(2021年3月)


京都大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
寺田智祐


京大病院薬剤部のホームページにお越し頂き、心よりお礼申し上げます。2021年3月1日付で、京都大学医学部附属病院薬剤部の教授・薬剤部長として就任しました。伝統のある京大病院薬剤部の舵取りを任され、大変光栄に思うとともに、コロナ禍・少子高齢化・Society5.0など、多様な課題を抱えた現代医療の中で、どうしたら病院薬剤師が輝き続けられるのか、日々、自問自答している状況です。

略歴は「プロフィール」をご覧頂ければと思いますが、京大病院には、11年ぶりに戻ってきました。11年前は、がんの診療に特化した「積貞棟」の完成が目前という時期でしたが、今では、生活習慣病や感覚器・運動器の疾患に対応した「南病棟」、高度急性期医療に対応し多くのユニット系病床を備えた「中病棟」、新しい医療の開発を担う「次世代医療・iPS細胞治療研究センター(通称:Ki-CONNECT)」、そして、質の高い先進的な小児医療を実践する「こども医療センター」など、新たな病棟・センターが続々と開発・設置されています。進化し続けている京大病院を目の当たりにして、若干、浦島太郎のような気分ですが、このような日本屈指の舞台で仕事ができることに対して、高揚感と責任感を感じています。薬剤部の教職員が一致団結して、院内外の医薬品安全管理と、薬剤部における教育・研究・業務を有機的に連携させて、多様な課題に立ち向かっていきたいと思います。

プロフィール

就職・進学をお考えの方へ


京都大学医学部附属病院薬剤部では、薬剤業務・研究・教育・組織マネジメントのあらゆる過程を通じて、「病院薬剤師」の魅力を、患者さんのみならず、他の医療関係者や府民・国民の方々に伝えていきたいと考えています。

薬剤業務:安全・安心な薬物療法を提供することを心がけ、様々な部署・チーム医療への薬剤師の配置を先駆的に行ってきました。特に、全ての病棟とハイケアユニットに専任の薬剤師を配置していることや、先駆的な地域連携を展開していることが特徴的であります。また、未来の薬剤業務を作るためのエビデンス作りにも注力しており、診療科との協働も数多く実践しています。

研究:京都大学という恵まれた研究環境のなかで、基礎研究から臨床研究まで幅広い分野をカバーできる体制になっています。本薬剤部は、京都大学大学院医学研究科・薬剤学講座と共に、京都大学大学院薬学研究科の協力講座(医療薬剤学分野)を担当しています。また薬学研究科・臨床薬学教育分野とも協力しながら研究を進めています。最近は薬剤師として働きながら大学院に進学する薬剤師も増えており、自身の興味に応じて、バラエティーに富んだ研究を行っています。京都大学薬学部の4回生も毎年数名研究室に配属されており、それぞれの希望に応じて、研究活動に取り組んでもらっています。数多くの診療科と共同研究していることが、大きな特徴です。

教育・組織マネジメント:2019年度から薬剤師レジデント制度を開始したことが最近のトピックスです。2年間のレジデントプログラム修了後は、京大病院や他の大学病院等で勤務しています。専門領域を究めて、認定・専門薬剤師の資格取得を目指したい場合には、先輩薬剤師や教員から、継続的な指導を受けることができます。このように、薬剤部では、教職員が一体となって、各薬剤師のキャリア・プランニングを手助けしています。一方で、全体で100人を超す大きな所帯であるため、各人のニーズにあった働き方や情報共有が大きな課題でもあります。様々な工夫を凝らしながら、家庭環境に応じた働き方ができることと、透明性の高い組織づくりに努めているところです。京都大学には自由と自主独立を許容し、重んじる学風があり、そのスピリットは薬剤部にも脈々と流れています。全ての薬剤部教職員が、やりたいことを自由に伸ばしつつ、それらのベクトルの総和が全体をさらにレベルアップさせるような組織作りを目指したいと思います。

最後に:「日本屈指の病院で自分の可能性を試してみたい」、「薬剤師の常識を覆す仕事がしたい」、「医師と共同研究をして未来の医療を作りたい」、「将来のリーダーを目指して大きな病院で働きたい」など、京大病院薬剤部では、皆さんの様々なニーズに対応できると考えています。京大病院薬剤部に興味を持った皆さんとの新しい出会いを、心から待ち望んでいます。